なぜ脱毛サロンで永久脱毛はできないのか

肌への負担を最小限に抑えてムダ毛をなくせる脱毛は、女性にとってありがたい限り。処理しても処理しても生えてくる毛に、だんだんと嫌気が差してくることもありますよね。

自己処理を繰り返した肌は、あなたが思っているよりもダメージを受けていることを忘れてはいけません。

さて、そんなエステサロンでの脱毛は、「永久脱毛できる」と思っている人もいるのではないでしょうか。

ここでは、永久脱毛とはどういうことなのか、エステで永久脱毛することはできるのか、「永久脱毛」について紹介していきたいと思います。

永久脱毛の定義

永久脱毛と聞くと、「一生毛が生えてこないこと」だと思っていませんか？確かに、永久脱毛という言葉からは「永遠に毛がなくなる」ことをイメージしてしまいます。

しかし、永久脱毛というのは一生毛が生えてこないことではありません。

施術が完了してから、一定量の毛が減っていることを永久脱毛というのです。

実は日本では永久脱毛の定義は特に決まっておらず、永久脱毛の話をするときはアメリカの電気脱毛協会またはFDA（日本の厚生労働省にあたる機関）の定めた定義を用いています。

これが永久脱毛の定義です。

一生毛が生えてこないとイメージしていた人からすると、全然違うことに驚いたのではないでしょうか。毛が完全になくならなくても、一定量減っていたら永久脱毛というのです。

エステサロンで永久脱毛はできない！

一生毛が生えてこないわけではなくても、やはり「永久脱毛」という言葉はかなり魅力的なもの。気軽に通えるエステサロンで永久脱毛ができたら、嬉しいですよね。

しかし、結論からいうとエステサロンで永久脱毛はできません。永久脱毛ができるのは、医療クリニックだけです。

永久脱毛は医療行為にあたるので、医師免許を持っていない人は行うことはできません。

そもそも、永久脱毛の効果を出すためには、毛根の中にある毛乳頭を破壊しなければなりません。毛乳頭というのは、毛の発育組織である毛母細胞に栄養を渡したり、毛を成長させるために欠かせない組織。毛を生やすためには絶対不可欠なものでもあります。

毛乳頭にダメージを与えることはできても、毛乳頭を破壊することはエステサロンではNG。

1984年に、厚生労働省が、永久脱毛を医師以外が行うことは医師法違反に値すると定めています。これにより、レーザー脱毛や絶縁針を用いたニードル脱毛はクリニックでしか行えなくなりました。

サロンでできるニードル脱毛は、絶縁針を用いたものではありません。もともとニードル脱毛は資格を持っている人しか行うことはできませんが、一部のニードル脱毛は医師だけということ。

また、2001年からはレーザーまたはニードル脱毛でなくても、「毛乳頭を破壊するほどの威力を持つ脱毛機械を使うこと」も禁止されるようになりました。

これらのことから、エステサロンで永久脱毛という言葉を使うことはもちろん、宣伝文句に永久脱毛を謳うこともすべてNG。もし、エステサロンにも関わらず「永久脱毛できます！」と言っていたら、そのサロンは法律に違反しているということになります。

信頼性に欠けますから、くれぐれもそのようなサロンには足を運ばないようにしてくださいね。

過去に医師法違反で摘発されたエステサロン

実際に、過去に医師法違反で摘発されたサロンもあります。

エステサロンの脱毛は効果がないの？

エステでは永久脱毛をすることはできませんが、それでは通う意味はないのでしょうか。それは違います。

もしもそうだとしたら、あんなに多くの人がお金を払ってサロンに通うことはないでしょう。永久脱毛こそできなくても、永久脱毛に近い効果はサロンでも十分に得ることができます。

ほぼ毛が生えてこなくなり、自己処理が不要になれば、それは実質的には永久脱毛と言えるのではないでしょうか。定義には反していますが、個人の感じ方としては十分でしょう。

クリニックのレーザー脱毛より威力が弱いので回数は必要ですが、12回～24回くらい施術を受ければかなり満足できると思います。

ただ、元々の毛の量によって効果の出方には差が出ることはあらかじめご了承くださいね。

まとめ

永久脱毛の定義と、エステサロンで永久脱毛ができるかどうかについて、詳しく紹介してきました。永久脱毛とは一生毛が生えてこないことではありません。

今の日本で永久脱毛ができるのはクリニックだけですが、エステサロンでもそれに近い効果を得ることは可能です。

ただし、くれぐれも永久脱毛を謳うエステサロンに行くのはやめましょう。世の中には悪質なサロンも残念ながらあるので、信頼のおけるサロンかどうかを見極めることが大切です。